緑茶の名産地ってどこだっけ?
いろいろ有名な産地の名前は聞くけど…誰かまとめて教えて!
ギフトで緑茶を贈りたいけど、名産地もよく知らないな。
オススメはどこの緑茶だろう?
味わいとかもわかればいいんだけど。
この記事では、緑茶の名産地を生産量順に一覧でご紹介します。
名産地ごとの味や香りなどもレクチャーするので、ぜひ緑茶選びの参考にしてみてくださいね。
緑茶の名産地については、農林水産省の「茶をめぐる情勢(令和4年10月時点)(全体版)」より抜粋しました。
参考リンク:
お茶のページ:農林水産省お茶のページでは日本茶の基本情報から、茶業界のトピックス、お茶の淹れ方のパンフレットなど、日本茶の素晴らしさの情報を掲載しています。関連団体の取組などもご紹介しています。
緑茶の名産地一覧!迷ったときの銘柄の選び方
緑茶の名産地は、生産量順だとこんな感じ。
- 静岡県(14,500ha、29,700t)
- 鹿児島県(8,300ha、26,500t)
- 三重県(2,640ha、5,360t)
- 京都府(1,550ha、2,450t)
- 福岡県(1,520ha、1,650t)
西日本がほとんどですね。
茶葉は、温度と降水量が適度な場所でよく育つんです。
上位3県で、全国の栽培面積の約7割を占めているのだとか。
では、それぞれの名産地でどんな名称の緑茶が作られているのかくわしく見ていきましょう。
【第1位】静岡県
全国で約3割強の緑茶生産量を誇る静岡県。
栽培面積は14,500ha、生産量は29,700tです。
生産量は、日本政府が統計を取り始めて以来ずっと毎年全国1位なんだとか。
県内だけでも、産地ごとにいろんな緑茶の種類があります。
それらは「静岡茶」と呼ばれ、全国の人に親しまれています。
また、静岡県では昭和時代に深蒸し煎茶の製法が確立され、今も存続しています。
深蒸し煎茶とは、蒸す時間を長くして濃い味にした煎茶です。
そんな静岡県の緑茶の名産地といえばこちら。
名産地 | ブランド名 | 特徴 |
---|---|---|
富士・沼津 | 富士茶・沼津茶 | 渋みと甘味の良バランス、ミネラル豊富 |
清水 | 清水のお茶 | 旨味があって香りが爽やか |
本山(ほんやま) | 本山茶 | 伝統的、爽やかな味わい |
牧之原 | 牧之原茶 | 全国最大の茶畑、まろやかな味わい |
川根 | 川根茶 | 伝統的、爽やかさと渋みのバランス |
掛川 | 掛川茶 | 濃厚で甘味がある、深蒸し煎茶が主流 |
天竜 | 天竜茶 | 高級茶、爽やかでスッキリした味わい |
特に「掛川茶」は最近よく聞く緑茶で、専門店での人気も高いですよね。
有名人で例えるなら、AKB48のような全国に知られるアイドルといったところでしょうか。
牧之原台地は全国でも最大規模の茶畑で、緑茶好きなら覚えておきたい地名。
そういえば、静岡には「やぶきた」っていう緑茶があるって聞いたことがあるけど…?
やぶきたというのは静岡県の人が開発した品種名で、正確には名産地の名前ではありません。
現在では、静岡県だけではなく全国各地でやぶきたが栽培されています。
「やきぶた」だとポークになってしまうので気をつけてくださいね(笑)
静岡茶はさすがに緑茶の一大名産地なだけあって、古くから日本人に親しまれているスタンダードな味が特徴的。
有名で高品質だし、おみやげや贈り物に最適です。
ちなみに、私の好きな松尾芭蕉の俳句で
駿河路や花たちばなも茶のにほい
という句がありますが、この句は静岡県で詠まれたものです。
「花より茶畑の香りのほうが強い」と松尾芭蕉に言われるほど、静岡県は茶畑がたくさんあるんですね。
【第2位】鹿児島県
静岡県にせまる緑茶のシェア率を誇るのが鹿児島県。
栽培面積は8,300ha、生産量は26,500tです。
九州らしい温暖な気候と平らで広い大地が、緑茶の栽培に適しているといわれています。
鹿児島県は暖かいので緑茶の生産時期も他県より早く、高品質な緑茶がとれます。
鹿児島県の名産地もかなりたくさんあるのですが、代表的なのはこちら。
名産地 | ブランド名 | 特徴 |
---|---|---|
種子島 | 種子島茶 | 新茶の時期がとても早い、スッキリした後味 |
霧島 | 霧島茶 | 透明感があり、まろやかかつ清々しい |
知覧 | 知覧茶 | ほとんどがかぶせ茶、渋み控えめ |
大浦 | 大浦茶 | 若くてフレッシュな茶葉だけを使用 |
有明 | 有明茶 | 玉緑茶が主流、ほんのり甘い |
財部 (たからべ) | 財部茶 | 香りがよく高品質、日常茶が多い |
全体的にクッキリと濃厚な味わいの緑茶が多い「かごしま茶」は、和菓子との相性がピッタリ。
霧島茶はあっさりしていて、緑茶の渋みがニガテな人にもオススメです。
かごしま茶は品種によってかなり味わいが変わるので、ギフト用に購入したい場合はお店の店員さんに味わいを聞いておくといいでしょう。
試飲できるお店があれば行ってみると確実です。
最近では生産量がどんどん増加している鹿児島県。
いつか、静岡県を抜いて日本の一大茶産地になる日も近いかも?
【第3位】三重県
三重県の緑茶の栽培面積は2,640ha、生産量は5,360tです。
三重県は特に、かぶせ茶の名産地として有名です。
かぶせ茶とは、茶畑に覆いをかぶせて作る緑茶のこと。
「かぶせ茶といえば三重県」といってもいいくらいです。
名産地 | ブランド名 | 特徴 |
---|---|---|
四日市 | 水沢(すいざわ)茶 | 歴史が古く、かぶせ茶が多い |
鈴鹿 | 鈴鹿茶 | 煎茶が主流。味は濃いめ |
亀山 | 亀山茶 | 色鮮やかで味が濃い |
飯南(いいなん) | 飯南茶 | 香りと味が控えめで飲みやすい |
度会(わたらい) | 度会茶 | 清流川のそばで作られ良質、香りが豊か |
あれ?
「伊勢茶」ってよく聞くけど、この表に入ってないよ。
伊勢茶というのは、三重県産の緑茶の総称のことです。
産地の名前ではないので注意してくださいね。
伊勢茶の特徴は、味が濃くてコク深いということ。
緑茶の渋みがニガテな人は、和菓子と一緒に飲むとちょうどよい味わいになると思います。
2~3回入れてもあまり味が落ちないので、日常茶としてもオススメ。
【第4位】京都府
「京都と言えば抹茶」というくらい、緑茶を消費しているイメージも強い京都府。
栽培面積は1,550ha、生産量は2,450tです。
京都府付近で生産される緑茶のほとんどは、宇治茶と呼ばれています。
「京都の緑茶=宇治茶」といってもいいくらい。
宇治茶を生産しているのは、主に以下の地域が有名です。
名産地 | ブランド名 | 特徴 |
---|---|---|
宇治 | 宇治茶 | 伝統的、玉露が中心で端麗な色合い |
和束(わづか) | 和束茶 | 香りが強く清涼な味わい |
綾部 | 綾部茶 | 鮮やかで香りが強いが、まろやか |
宇治抹茶というキーワードは誰でも聞いたことがありますよね。
宇治茶は玉露や抹茶が主流で、イメージ通り最高級品。
ギフトに喜ばれるでしょう。
味わいは清涼で濃いものが多く、薫り高いのも特徴ですね。
宇治は緑茶栽培の歴史が古く、現在全国に広まっているお茶の栽培技術は、京都府の宇治にならったものといわれています。
宇治はまさに、日本における「緑茶栽培の母なる大地」というところでしょうか。
【第5位】福岡県
ここ近年で、同じく緑茶の名産地である宮崎県を抜いてTOP5にランクインしたのが福岡県です。
栽培面積は1,520ha、生産量は1,650tです。
福岡県の名産地は以下のとおり。
名産地 | ブランド名 | 特徴 |
---|---|---|
八女(やめ) | 八女茶 | 濃くて香りがいいが、優しく渋みが少なめ |
筑後 | ||
広川 | ||
みやこ | ||
豊前(ぶぜん) | ||
上毛(こうげ) | ||
朝倉 | ||
うきは |
いやいや、全部「八女茶」になってるけど!?
そうなんです、福岡県で生産されている緑茶はすべて八女茶とよばれ、ブランドが統一されています。
上記の表は、すべて八女茶の生産地ということですね。
八女茶はスタンダードな煎茶のほかに、伝統本玉露などの高級な緑茶も作られています。
濃くて香りも強めなのですが、味わいはとてもまろやかで甘く、濃さと飲みやすさにギャップがあります。
あまり好みを知らないお客様に出すのにもピッタリな緑茶かもしれませんね。
八女茶は全国的に有名なブランドなので、贈り物としてもオススメです。
他にもある緑茶の名産地
令和4年には惜しくもTOP5入りしませんでしたが、それ以前は宮崎県も緑茶の名産地としてランクインしていました。
やっぱり九州は緑茶の生産に適した気候なんですね。
また、日本三大銘茶の狭山(さやま)茶を生産している埼玉県も外せません。
日本三大銘茶とは、
- 静岡茶(静岡県)
- 宇治茶(京都府)
- 狭山茶(埼玉県)
のこと。
色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす
という茶摘み歌もあるほど。
狭山茶は生産量が少ないですが、甘くて濃厚な味わい。
あまりネットでは買えないのが少し残念ですが、埼玉に行ったときはぜひ買い求めてみてください。
まとめ:緑茶の名産地一覧
緑茶の名産地は以下のとおりです。
- 静岡県
- 鹿児島県
- 三重県
- 京都府
- 福岡県
- 宮崎県
- 埼玉県
それぞれのブランドについてもっとくわしく知りたい方は、全国的に有名な緑茶の品種・ブランドをまとめたページがあるのでご参考にしてください。
下記のリンクから見ることができます。
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